去年優勝したロッシの大好きなコースで今年一番速かったのはドヴィツィオーゾだった。ロッシが出来なかったドゥカティでの2連勝。素直に「凄いな」と思えた。「おめでとう」と言えた。

ドヴィツィオーゾはロッシのような派手なタイプの選手ではない。いつも落ち着いていて知的で感情を外に出さないイメージがある。同じイタリア人でもだいぶロッシとは違う。そのイメージが強いせいか、表彰台に上がっても良い成績を出してもあまり目立たない印象がある。2013年にドゥカティに移籍してから今年で5年目。ツイてないなーと思うようなシーズンの時もあった。日本のGPファンからは「お祓いに行ったほうがいいレベル」なんて言われたこともあった。(個人的にはお祓いしても何も変わらないばかりか本来あるべき自然のリズムを乱すだけだと思っているので必要ないと考えている)

人生には波がある。良い時もあるし、悪い時もある。

良い時は何をしても上手くいく感覚があるが、反対に悪い時は何をしても空回りする。それが自然の法則なのだろう。ならば、悪い時にどうするか?そこがポイントになる。

ドヴィは上手くいかない時も不満や愚痴を周りに曝け出さず、黙々と努力をし続けてきたと思う。
実に根気のいる作業だ。強い精神力が無ければやり通せない。
しかしドヴィはそれをやり通した。
そして前戦とカタルーニャでそれが開花したのだ。

諦めない努力は必ず実を結ぶ…カタルーニャ戦の表彰台に立つドヴィを見て改めてそう思った。

ロッシは今シーズンあまりツイていないような気がするが、彼の強みは「ポジティブ思考」なのでさほど心配はしていない。
彼のポジティブさはいつも勝利を呼び寄せるからだ。